美貌のボクサー 渡辺雄二 世界挑戦 vsヘナロ・エルナンデス

かつて、それほどにイケメンとか言われたボクサーは、日本ボクシング史上、かなり少ないだろうと思われます。

渡辺雄二 世界挑戦 ヘナロ・エルナンデス

上り調子のその当時にあって、ファッション誌からは「モデルではありません」とことわりを書き添えないと見間違うほどの美貌の持ち主、とも称されました。

それが、かつてのジュニアライト級渡辺雄二選手です。
確かに、その容姿、風貌は甘いマスクに端正な顔立ちで、何も言わなければボクサーだと誰も思わないかもしれません。

そんな渡辺雄二選手がチャンピオンに挑戦した試合です。

デビュー当時からパンチの強さ、そのパワーが注目されていました。
王座に挑戦する時の戦績は、10戦10勝10KOという、100%のKO率を引っ提げての挑戦でした。
それも、早い回でのKOばかり。

当時のWBA世界ジュニアライト級王者への挑戦も、前半で渡辺選手がチャンピオンを倒して勝利するのかと期待されていました。
しかし、王者のヘナロ・エルナンデス選手の技術は完全に渡辺選手を封じ込めました。
若さ、パワー、勢いだけじゃ駄目・・・という事をまざまざと見せつけた様な、渡辺選手の動きを空転させるテクニックでした。

3Rの後半以降は、まともに試合として成り立っていなかった様な、接近戦と抱きつきでまともな試合になっていなかった印象。
無闇に前に出てクリンチになってしまう場面が多過ぎて、フックやストレートも幾つかは大振りになってまともにチャンピオンに当たりません。

一方のエルナンデス選手は、コンビネーションも交えての応戦でしたが、その攻守は至ってシンプルに視えます。
ジャブ、右ストレート、ダッキング、ウィービングしながらのボディーブロー、というコンビネーション。
基本に忠実な動きをしていた様に見えますが、その程度で十分なほどの渡辺選手の悪さ。

4Rに渡辺選手のボディーブローがエルナンデスのみぞおち辺りに入り、一瞬、膝が落ちかけましたが・・・。
そこから活路にはつながりませんでした。

強打で勝ち上がってきた渡辺選手でしたが、挑戦当時、世界ランク1位であっても、闇雲に前のめりに出た渡辺選手を空転させました。

結局、6RでレフェリーストップによるTKOで負けましたが。
残念ながら、当時の渡辺選手には、巧さ、ボクシングスキルがありませんでした。
グロッキー状態にまで陥ったわけではありませんでしたが、かなり打ち込まれ、足がグラつき、成す術が無い状態でした。






<<参考記事・因縁の決着!畑山隆則 vs 坂本博之 序章>>

そんな、WBA世界ジュニアライト級タイトルマッチ、ヘナロ・エルナンデスvs渡辺雄二 戦の紹介です。






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